中検合格講座
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次回の第113回検定試験は、本年11月24日(日)です。
こんにちは。ゴーヤンです。
今回は2024年6月に実施された第112回中国語検定試験3級(筆記試験)の解説の後編です。過去の試験問題の解説を通して、短期間で合格を目指すポイントを説明いたします。
1.3級筆記試験の構成と配点
筆記(選択式・記述式)100点満点においては、第1問から第5問までの計41問で構成され、問題形式は従来と同じスタイルで出題されました。
3級筆記試験においては65点以上を取る必要があります。
なお、実際の試験問題文は、日本中国語検定協会「試験問題・解答」をご参照ください。
第112回(2024年6月)3級問題と解答
3級問題の出題概要
- 第1問 発音の問題(計10問、配点20点(各2点))
- (1)~(5) 声調の組み合わせが同じものを選ぶ
- (6)~(10) 正しいピンイン表記を選ぶ
- 第2問 空欄埋め問題(計10問、配点20点(各2点))
- (1)~(10) 文中の空欄を埋めるのに正しいものを選ぶ
- 第3問 語順の問題(計10問、配点20点(各2点))
- (1)~(5) 日本語の意味に合う正しい語順の中国語文を選ぶ
- (6)~(10) 日本語の意味に合う正しい語順の中国語文を作る際に[ ]に入れる単語を選ぶ
- 第4問 長文読解の問題(計6問、配点20点((1)~(3)&(5):3点・(4)&(6):4点))
- (1)~(5) 長文中の空欄を埋めるのに適当なものを選ぶ
- (6) 本文の内容と一致するものを選ぶ
- 第5問 作文の問題(計5問、配点20点(各4点))<筆記試験>
- (1)~(5) 日本語を中国語に訳す(簡体字で書く)
2.3級筆記試験問題の解説
第4問 長文読解
第4問は、長文読解の問題です。毎回計6問出題されています。
設問(1)から(5)までは、長文本文の中に設定された空欄に適切な用語を入れる問題です。そして、設問(6)は本文の内容と一致するものを選ぶ問題です。
(1)動詞「放」
- 適切な動詞を尋ねる問題です。
- 長文問題ですが、この問題は該当する一文だけを見れば解答できる問題です。
- ここでは「夏休みに入って、周君は山に来て一ヶ月泊まりました。」と言っています。
- 動詞「放」は、目的語に「假/工/学」などを伴って、(勤務や学校の授業などを一定時間)「休止する」。「放暑假」は、夏休みになる。
- したがって、「放」が正解です。
(2)アスペクト助詞「着」
- 適切な助詞を尋ねる問題です。
- 長文問題ですが、この問題は該当する一文だけを見れば解答できる問題です。
- ここでは「辰君は毎日周君を連れて山にリスを探しに行きました。」と言っています。
- アスペクト助詞「着」は、「動詞+着」の形で、動詞の直後に「着」を用い、状態の持続、動作・行為の持続を表します。
- したがって、「着」が正解です。
- アスペクト助詞「着」について詳しくは、中国語文法講座6)助詞「着」をご覧ください。
(3)方向補語「到」
- 適切な補語を尋ねる問題です。
- 長文問題ですが、この問題は該当する一文だけを見れば解答できる問題です。
- ここでは「周君は川のほとりで一枚の木の葉を見つけました。」と言っています。
- 方向補語は、動作が行われる方向や状態が進む方向を表す補語です。「来、去、上、下、进、出、回、过、起、到」は「単純方向補語」と言います。方向補語「到」は、 ある場所へ「至る」というニュアンスを表します。
- 動詞「找(zhǎo)」は、(何かを)捜す。「找到(動詞+方向補語)」で、探し当てる/探し出す/見つける。
- したがって、「到」が正解です。
- 方向補語について詳しくは、中国語文法講座8)方向補語をご覧ください。
(4)可能補語
- 適切な補語を尋ねる問題です。
- 長文問題ですが、この問題は該当する一文及び次の文を見れば解答できる問題です。
- ここでは「周君は秋の紅葉の山々を見ることができません。彼はとても残念に思いますが、しかし残ることはできません、なぜなら、その時周君は学校に行かなければならないからです。」と言っています。
- 可能補語は、肯定形で「得」、否定形で「不」を挿入して実現可能か否かを表す補語です。肯定形「・・・できる」、否定形「・・・できない」という意味になります。
- 前後の文脈から、ここでは、否定形「・・・できない」が適切であることがわかります。
- 可能補語は、結果補語又は方向補語から派生してできる補語です。ここでは、「紅葉の秋を見ることができない」ということから、「见不到」であることがわかります。「见不到(動詞+可能補語)」は、見ることができない。
- したがって、「见不到」が正解です。
- 可能補語について詳しくは、中国語文法講座10)可能補語をご覧ください。
(5)関連語句「一~就・・・」
- 適切な動詞を尋ねる問題です。
- 長文問題ですが、この問題は該当する一文だけを見れば解答できる問題です。
- ここでは「夏休みが終わると、周君は広州に帰りました。」と言っています。
- 関連語句「一~就・・・」は、~すると(すぐに)・・・する。
- したがって、「一~就・・・」が正解です。
(6)本文の内容と一致するものを選ぶ
- 本文の内容と一致するものを選ぶ問題です。
- 確実に得点するには、確実に該当しないものを消去する「消去法」がお薦めです。ただし、試験解答時間に余裕がある場合に限られるので、時間配分をよく考えてから解答することをお勧めします。
- 試験全体の時間配分に関しては、「第4章 出題内容を知る・筆記試験❷」の「解答時間の配分例」を参照してください。
- 各設問の正誤を確認して参りましょう。
- ➀の文章では「周君と知り合う前、辰君は色鉛筆をたくさん持っていました。」と書かれていますが、36色の色鉛筆は周君が辰君にあげたので、明らかに本文の内容と違います。
- ➁の文章は「辰君は自分の描いた秋を周君に送ります。」と書かれていますので、本文の内容のとおりです。
- ③の文章は「2か月後には、こんなにきれいに見える木の葉はありません。」と書かれていますが、2か月後にもう一度来れば、美しい紅葉がみられると言っていますので、本文の内容と違います。
- ④の文章は「周君は木の葉を持ち帰ることができなくて、少し残念です。」と書かれていますが、明らかに本文の内容と違います。
- 消去法により答えは➁であることは分かりました。
- 消去法を用いることにより、自信を持って解答することができると思います。お試しくださいませ。
第5問 中文作文
第5問は、中文作文の問題です。毎回計5問出題されています。
中文作文では簡体字を正確に記述できなければ正しく解答できませんので、日頃から簡体字を書く練習をしてくださいね。紙に丁寧に書き、正しく簡体字を書く練習をしておくと本番でも慌てないと思います。
(1)使役文
- 使役文の用法が解答の鍵となる問題です。
- 使役文は、「主語(A)+让+行為者(B)+動詞(行為者の動作)」の形で、「AはBに・・・させる」となります。
- 否定文は、否定を表す副詞「不」を「让」の前に置き、「主語(A)+不让+行為者(B)+動詞(行為者の動作)」の形で、「AはBに・・・させない」となります。
- 「運転をする」は、動詞「开车」です。
- したがって、「父はわたしに運転をさせてくれません。」は「爸爸不让我开车。」となります。
- 爸爸(主語)+不(副詞)+让我(前置詞句/让+行為者)+开车(行為者の動作)。
- 使役文について詳しくは中国語文法講座 14)使役文をご覧ください。
(2)前置詞「在」
- 前置詞「在」の用法が解答の鍵となる問題です。
- 前置詞「在」は、「在~」という前置詞句を作り、~で/~において(動作を行う場所)を表します。前置詞句は、動詞の前に置きます。
- 「待つ」は、動詞「等」です。
- したがって、「わたしは空港で友達を待ちます。」は「我在机场等朋友。」となります。
- 我(主語)+在机场(前置詞句/場所)+等(動詞)+朋友(目的語)。
- 前置詞「在」について詳しくは中国語文法講座 16)前置詞の用法❶をご覧ください。
(3)アスペクト助詞「过」
- アスペクト助詞「过」の用法が解答の鍵となる問題です。
- アスペクト助詞「过」は、「動詞+过」の形で、動詞の直後に「过」を用い、経験や動作の完了/終結を表します。
- 否定形には「没有/没」を用い、「过」は付けたまま残ります 。経験を表す場合の否定形には「过」は付けたままと覚えてください。
- 「行ったことがない」は、「没去过」(否定「没」+動詞「去」+アスペクト助詞「过」)です。
- したがって、「わたしはその図書館へ行ったことがありません。」は「我没去过那个图书馆。」となります。
- 我(主語)+没(副詞)+去(動詞)+过(アスペクト助詞)+那个图书馆(目的語)。
- アスペクト助詞「过」について詳しくは中国語文法講座 6)助詞「过」をご覧ください。
(4)前置詞「离」
- 前置詞「离」の用法が解答の鍵となる問題です。
- 前置詞「离」は、「离~」という前置詞句を作り、現在からある時点までの期間を表します。~まで。
- 「まだ」は、副詞「还」を動詞の前に置きます。
- したがって、「新年までまだ2か月あります。」は「离新年还有两个月。」となります。
- 离新年(前置詞句/現在からある時点までの期間)+还(副詞)+有(動詞)+两个月(目的語)。
- 前置詞「离」について詳しくは中国語文法講座 16)前置詞の用法❶をご覧ください。
(5)語気助詞「吧」
- 語気助詞「吧」の用法が解答の鍵となる問題です。
- 語気助詞「吧」は、文末に用いて種々の語気を示します。主に次の3つの用法があります。
- 1)自信がなくてはっきりと言い出せず、「たぶん・・・でしょう」と推測して話すとき。
- 2)自信がなくてはっきりと言い出せず、「…でしょうか?」と相手に同意を求める感じで疑問の気持ちを込めて話すとき。
- 3)命令「・・・しなさいよ」、請求「どうか・・・してください」、催促「・・・したらどうですか」、提案「・・・しましょう」を示すとき。
- ここでは、「ごはんを食べに行きましょう。」と言ってますので、3)の提案ですね。
- 「授業が終わったら」は、「授業の後で」ということなので、「下课后」です。
- したがって、「授業が終わったら,わたしたちはごはんを食べに行きましょう。」は「下课后,我们去吃饭吧。」となります。
- 下课后(時間),我们(主語)+去(動詞)+吃饭(目的語/動詞句)+吧(語気助詞)。
皆さま、中国語検定試験3級(筆記試験)<後編>の解説はいかがでしたでしょうか?神部龍章の部屋で、中国語の文法と語順の基本を正確にマスターすれば、短期間で3級合格も達成できますよ。
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【お知らせ➀】
新たな試みとして、講座をご覧いただいている読者の方々が実力確認を行われることを手助けするための教材として「第1回模擬試験(筆記)中国語検定試験3級」を独自に作成しました。ぜひお試しくださいませ。
【おしらせ②】
中検合格講座「第8章 中検3級傾向分析(ピンイン)」において、音声教材を追加いたしました。各単語の発音の習得にご活用ください!
【おしらせ③】
このたび、神部龍章の部屋においてオリジナルYouTube動画(中国語カラオケ🎤:月亮代表我的心、夜来香、后来)を作成しました。中検合格講座「第6章 中国語のカラオケを歌ってみよう!」をご覧くださいませ♪♪♪