中検合格講座
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次回の第114回検定試験は、2025年3月23日(日)です。
こんにちは。ゴーヤンです。
今回は2024年3月に実施された第111回中国語検定試験3級(筆記試験)の解説の後編です。過去の試験問題の解説を通して、短期間で合格を目指すポイントを説明いたします。
1.3級筆記試験の構成と配点
筆記(選択式・記述式)100点満点においては、第1問から第5問までの計41問で構成され、問題形式は従来と同じスタイルで出題されました。
3級筆記試験においては65点以上を取る必要があります。
なお、実際の試験問題文は、日本中国語検定協会「試験問題・解答」をご参照ください。
第111回(2024年3月)3級問題と解答
3級問題の出題概要
- 第1問 発音の問題(計10問、配点20点(各2点))
- (1)~(5) 声調の組み合わせが同じものを選ぶ
- (6)~(10) 正しいピンイン表記を選ぶ
- 第2問 空欄埋め問題(計10問、配点20点(各2点))
- (1)~(10) 文中の空欄を埋めるのに正しいものを選ぶ
- 第3問 語順の問題(計10問、配点20点(各2点))
- (1)~(5) 日本語の意味に合う正しい語順の中国語文を選ぶ
- (6)~(10) 日本語の意味に合う正しい語順の中国語文を作る際に[ ]に入れる単語を選ぶ
- 第4問 長文読解の問題(計6問、配点20点((1)~(3)&(5):3点・(4)&(6):4点))
- (1)~(5) 長文中の空欄を埋めるのに適当なものを選ぶ
- (6) 本文の内容と一致するものを選ぶ
- 第5問 作文の問題(計5問、配点20点(各4点))<筆記試験>
- (1)~(5) 日本語を中国語に訳す(簡体字で書く)
2.3級筆記試験問題の解説
第4問 長文読解
第4問は、長文読解の問題です。毎回計6問出題されています。
設問(1)から(5)までは、長文本文の中に設定された空欄に適切な用語を入れる問題です。そして、設問(6)は本文の内容と一致するものを選ぶ問題です。
(1)副詞「刚」
- 動詞の前に置く適切な副詞を尋ねる問題です。
- 長文問題ですが、この問題は該当する一文だけを見れば解答できる問題です。
- ここでは「小学校に入学して間もない頃でした」と言っています。
- 副詞「刚」は、~したばかり。
- したがって、「刚」が正解です。
- 副詞「刚」について詳しくは中国語文法講座4)副詞をご覧ください。
(2)動詞「弹」
- 適切な動詞を尋ねる問題です。
- 長文問題ですが、この問題は該当する一文だけを見れば解答できる問題です。
- ここでは「琵琶を弾くのが趣味になりました」と言っています。
- 動詞「弹」は、(ピアノ、ギター、琵琶といった楽器を)弾く。
- したがって、「弹」が正解です。
(3)前置詞「关于」
- 適切な前置詞を尋ねる問題です。
- 長文問題ですが、この問題は該当する一文だけを見れば解答できる問題です。
- ここでは「正倉院五弦琵琶の由来については、唐の玄宗と楊貴妃が天皇に贈ったものとされています。」と言っています。
- 前置詞「关于(guānyú)」は、「~について/~に関して」。
- 前置詞「根据(gēnjù)」は、「~に基づき/~により」。
- 前置詞「按照(ànzhào)」は、「~に基づいて/~に照らして/~どおりに」。
- 前置詞「除了(chúle)」は、「~を除いて/~のほかは」。
- したがって、「关于」が正解です。
- 前置詞「关于」などの用法については、中国語文法講座17)前置詞の用法➋を合わせてご覧ください。
(4)関連語句「要是~就・・・」
- 適切な関連語句を尋ねる問題です。
- 長文問題ですが、この問題は該当する一文だけを見れば解答できる問題です。
- ここでは「機会があれば、日本に行って正倉院の五絃琵琶を見てみたいものです。」と言っています。
- 関連語句「要是~就・・・」は、「もし~ならば・・・」。
- 関連語句「虽然~但是・・・」は、「~ではあるけれど、しかし・・・」。
- 関連語句「只有~才・・・」は、「~してこそ、(はじめて)・・・」。
- 関連語句「即使~也・・・」は、「どんなに~であっても・・・だ」。
- したがって、「要是~就・・・」が正解です。
- 関連語句「要是~就・・・」などの用法については、中国語文法講座18)関連語句を合わせてご覧ください。
(5)前置詞「为了」
- 適切な語を尋ねる問題です。
- 長文問題ですが、この問題は該当する一文だけを見れば解答できる問題です。
- ここでは「その夢をかなえるために、大学に入ってからは中華料理店でよくアルバイトをしていました。」と言っています。
- 前置詞「为了」は、(行為の目的を示し、)「~のために/~するために」。
- 前置詞「因为」は、(原因・理由を示し、)「~のために/~のせいで/~によって」。
- 前置詞「由于」は、(ある結果が生じるに至った原因・理由を述べ、)「~によって/~のために」。
- 助動詞「应该」は、(事実・道理から言って当然)「~すべきである/~しなければならない/~でなければならない」のほか、(客観的状況から推して当然)「~はずだ」という意味があります。
- したがって、「为了」が正解です。
- 前置詞「为了」については、中国語文法講座17)前置詞の用法➋を合わせてご覧ください。
(6)本文の内容と一致するものを選ぶ
- 本文の内容と一致するものを選ぶ問題です。
- 確実に得点するには、確実に該当しないものを消去する「消去法」がお薦めです。ただし、試験解答時間に余裕がある場合に限られるので、時間配分をよく考えてから解答することをお勧めします。
- 試験全体の時間配分に関しては、「第4章 出題内容を知る・筆記試験❷」の「解答時間の配分例」を参照してください。
- 各設問の正誤を確認して参りましょう。
- ➀の文章では「大学を卒業するまで五弦琵琶を見たことがありません。」と書かれていますので、明らかに本文の内容と違います。
- ➁の文章は「琵琶は古代中国人によって発明された楽器です。」と書かれていますので、本文の内容と違います。本文の説明の中で、生粋の中国楽器ではなく、シルクロードを通じて中国に入ってきたと言っています。
- ③の文章は「私が中華レストランでアルバイトをしている目的はお金を稼いで航空券を買うことです。」と書かれていますので、本文の内容のとおりです。
- ④の文章は「四弦琵琶は中国隋唐時代に流行した楽器です。」と書かれていますので、本文の内容と違います。本文の説明の中で、現在の琵琶は四弦琵琶ですが、南北朝・隋唐時代には五弦琵琶が多くなり、宋代以降は四弦琵琶が流行しますと言っています。
- 消去法により答えは③であることは分かりました。
- 消去法を用いることにより、自信を持って解答することができると思います。お試しくださいませ。
第5問 中文作文
第5問は、中文作文の問題です。毎回計5問出題されています。
中文作文では簡体字を正確に記述できなければ正しく解答できませんので、日頃から簡体字を書く練習をしてくださいね。紙に丁寧に書き、正しく簡体字を書く練習をしておくと本番でも慌てないと思います。
(1)様態補語
- 様態補語の用法が解答の鍵となる問題です。
- 様態補語とは、動詞や形容詞の直後に、構造助詞「得」を伴い、「得」に続くフレーズ等で、動作・行為・状態がどうであるかを具体的に詳しく説明・描写する補語です。
- 様態補語は、動詞のすぐ後に「得・・・」と続ける必要があるので、動詞が目的語を取る場合には、同じ動詞を再度用い、「動詞+目的語+同じ動詞+得+様態補語」という構成になります。「彼女は中国語を流ちょうに話します。」は、「她说汉语说得很流利。」。これを応用します。
- 「卓球をする」は、動詞+目的語で「打乒乓球」です。
- したがって、「彼女は卓球がとても上手です。」は「她(打)乒乓球打得很好。」となります。
- 她(主語)+打(動詞)+乒乓球(目的語)+打(同じ動詞)+得很好(様態補語)。
- 様態補語について詳しくは中国語文法講座9)様態補語をご覧ください。
(2)前置詞「从」「到」
- 前置詞「从」・前置詞「到」の用法が解答の鍵となる問題です。
- 前置詞「从」:~から(時間的・空間的起点を示す)
- 前置詞「到」:~まで(時間的・空間的終点を示す)
- 「およそ」は、副詞「大概」です。
- したがって、「ここから駅までおよそ30分かかります。」は「从这儿到车站大概要三十分钟。」となります。
- 从这儿(前置詞句)+到车站(前置詞句)+大概(副詞)+要(動詞)+三十分钟(目的語)。
- 前置詞「从」・前置詞「到」について詳しくは中国語文法講座16)前置詞の用法❶をご覧ください。
(3)定型文「快要~了」
- 定型文「快要~了」の用法が解答の鍵となる問題です。
- 定型文「快要~了」:まもなく~する/(今にも)~しようとしている。副詞「快要」は、 間もなく/すぐに(…になる)。
- 語気助詞「了」は、平叙文の文末に用い、新しい状況の発生を表します。
- したがって、「姉はもうすぐ結婚します。」は「姐姐快要结婚了。」となります。
- 姐姐(主語)+快要(副詞)+结婚(動詞)+了(語気助詞)。
- 定型文「快要~了」について詳しくは中国語文法講座18)定型文をご覧ください。
- 語気助詞「了」について詳しくは中国語文法講座5)助詞「了」をご覧ください。
(4)比較文・様態補語
- 比較文と様態補語の用法が解答の鍵となる問題です。
- 比較文は、「主語A+比+比較対象B+形容詞」の形で、「主語Aは比較対象Bよりも・・・だ」となります。
- まず、「北京の冬は上海より寒い。」は「北京的冬天比上海冷。」です。
- 次に、「ずっと寒い」は、形容詞「冷」に修飾語をつければよいので、ここでは様態補語を使って「ずっと寒い」を表現します。
- 様態補語とは、動詞や形容詞の直後に、構造助詞「得」を伴い、「得」に続くフレーズ等で、動作・行為・状態がどうであるかを具体的に詳しく説明・描写する補語です。「ずっと寒い」は「冷得多」。
- したがって、「北京の冬は上海よりずっと寒い。」は「北京的冬天比上海冷得多。」となります。
- 北京的冬天(主語)+比(前置詞/比較)+上海(比較対象)+冷(形容詞)+得多(様態補語)。
- 比較文について詳しくは中国語文法講座13)比較文をご覧ください。
- 様態補語について詳しくは中国語文法講座9)様態補語をご覧ください。
(5)連動文
- 連動文の用法が解答の鍵となる問題です。
- 連動文とは、1つの主語に対し、2つ以上の動詞や動詞句が連続している文で、「主語+{行動1}+{行動2}」の形をしている文章のことです。
- 「自転車に乗る」は「骑自行车」です。
- 「買い物に行く」は「去买东西」です。
- 「母は自転車で買い物に行きます。」は、「母は(1)自転車に乗って(2)買い物に行く」と考えます。
- したがって、「母は自転車で買い物に行きます。」は「妈妈骑自行车去买东西。」となります。
- 妈妈(主語)+{行動1}骑(動詞)+自行车(目的語)+{行動2}去(動詞)+买东西(目的語/動詞句)。
- 連動文について詳しくは中国語文法講座15)連動文をご覧ください。
皆さま、中国語検定試験3級(筆記試験)<後編>の解説はいかがでしたでしょうか?神部龍章の部屋で、中国語の文法と語順の基本を正確にマスターすれば、短期間で3級合格も達成できますよ。
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中検合格講座「第8章 中検3級傾向分析(ピンイン)」において、音声教材を追加いたしました。各単語の発音の習得にご活用ください!
【おしらせ②】
このたび、神部龍章の部屋においてオリジナルYouTube動画(中国語カラオケ🎤:月亮代表我的心、夜来香、后来)を作成しました。中検合格講座「第6章 中国語のカラオケを歌ってみよう!」をご覧くださいませ♪♪♪
【おしらせ③】
新たな試みとして、講座をご覧いただいている読者の方々が実力確認を行われることを手助けするための教材として「第1回模擬試験(筆記)中国語検定試験3級」を独自に作成しました。ぜひお試しくださいませ。