中検合格講座
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次回の第113回検定試験は、本年11月24日(日)です。
1.4級筆記試験の構成と配点
筆記(選択式・記述式)100点満点においては、第1問から第5問までの計41問で構成され、問題形式は従来と同じスタイルで出題されました。
4級筆記試験においては60点以上を取る必要があります。出題形式は3級試験と大変似ていますが、問題は易しいので解答しやすいと思います。なお、実際の試験問題文は、日本中国語検定協会「試験問題・解答」をご参照ください。
第107回(2022年11月)4級問題と解答
4級問題の出題概要
- 第1問 発音の問題(計10問、配点20点(各2点))
- (1)~(5) 声調の組み合わせが他と異なるものを選ぶ
- (6)~(10) 正しいピンイン表記を選ぶ
- 第2問 空欄埋め問題(計10問、配点20点(各2点))
- (1)~(10) 文中の空欄を埋めるのに正しいものを選ぶ
- 第3問 語順の問題(計10問、配点20点(各2点))
- (1)~(5) 日本語の意味に合う正しい語順の中国語文を選ぶ
- (6)~(10) 日本語の意味に合う正しい語順の中国語文を作る際に[ ]に入れる単語を選ぶ
- 第4問 長文読解の問題(計6問、配点20点((1),(2),(4),(5):3点・(3)&(6):4点))
- (1)~(5) 長文中の空欄を埋めるのに適当なものを選ぶ
- (6) 本文の内容と一致しないものを選ぶ
- 第5問 作文の問題(計5問、配点20点(各4点))<筆記試験>
- (1)~(5) 日本語を中国語に訳す(簡体字で書く)
2.4級筆記試験問題の解説
第1問の前半5題 声調
第1問の前半5題は、声調の組み合わせが他と異なるものを答えの選択肢4つの中から選びます。
例えば、問題「① 旅游 ② 网球 ③ 地铁 ④ 小学」の場合、この中から他と異なるものを選びます。
- 旅游 lǚ yóu(第3声+第2声)
- 网球 wǎng qiú(第3声+第2声)
- 地铁 dì tiě(第4声+第3声)これが正解!
- 小学 xiǎo xué(第3声+第2声)
要するに、知っていないと答えられないので、本格的に対策を講じるには、一つ一つ覚えるしか手はない訳ですが、それはあまり楽しい勉強方法だと言えません。
中国語の勉強では、読む練習と聞く練習が必須ですが、これらを実践するときに、声調の上がり下がりを意識して練習しないと上達しないので、そのように練習されると思います。そうすると「語感」が自然と身についてくるので「心配無用」です。
そもそも、検定試験では満点を取る必要がないので、「5問のうち、3問程度正解すればOK!!」と考えておけば、気楽にクリアーできそうな気がしてくると思うのではないでしょうか。「気楽にクリアーできそうな気がしてくる」というところが大切です。
第1問の後半5題 ピンイン
第1問の後半5題は、正しいピンイン表記を答えの選択肢4つの中から選ぶ問題だよ。この問題の形式は3級試験と同じなので、説明は「検定試験問題解説(第107回3級)」をご覧ください。
第2問 空欄埋め
第2問は、文中の空欄を埋めるのに正しいものを答えの選択肢4つの中から選びます。
(1)量詞「件」
- 「衣服」を数える量詞は「件」です。「我想买一件衣服。」となります。
(2)前置詞「给」
- 前置詞「给」は「~に(動作を与える/差し上げる相手)」です。
- 「我经常给妈妈打电话。」(私は母によく電話します。)のように使います。
- 詳しくは中国語文法講座 16)前置詞の用法❶をご覧ください。
(3)動詞「有」の用法
- 動詞「有」には、①所有を示す表現と②存在を示す表現の2種類があります。
- 所有を示す表現の場合、「主語(人)+「有」+目的語(物・人)」で「主語(人)は(物・人)を持っている。」となります。
- 否定形は「没有」となり、「不」は使いません。
- 否定形は「主語(人)+「没有」+目的語(物・人)」で「主語(人)は(物・人)を持っていない。」となります。
- 動詞「有」の用法ついて詳しくは中国語文法講座 4)動詞「有」をご覧ください。
(4)「是~的」構文
- 「是~的」構文は「~」に入る言葉(時間、場所、方法など)に力点を置いて表現するときにこの構文が使用されます。
- 「的」は「構造助詞」のため、それ自体の意味を持ちません。
- 「我是昨天回来的。」は「私は昨日帰ってきたのです。」という意味で、「昨日帰ってきた」ことを強調しています。
- ちなみに「私は昨日帰ってきました。」として、過去の動作を表す場合は「我昨天回来了。」となります。
- 「是~的」構文について詳しくは中国語文法講座 2)動詞「是」をご覧ください。
(5)定型文「快要・・・了」
- 「快要・・・了」は「まもなく・・・する、(今にも)…しようとしている。」という意味です。
- 「北京站快要到了。」は「北京駅はもうすぐです。」となります。
- 詳しくは中国語文法講座 18)定型文をご覧ください。
- 定型文「快要・・・了」は第107回の3級試験でも出題されていました。
(6)様態補語
- 「様態補語」とは、動詞や形容詞の直後に、構造助詞「得」を伴い、「得」に続くフレーズ等で、動作・行為・状態がどうであるかを具体的に詳しく説明・描写する補語です。
- 「得」の後に、語やフレーズなどで構成されます。
- 日本語の「走るのが早い」という言い方を中国語で同じように言うと「跑得很快」となります。
- 様態補語について詳しくは中国語文法講座 9)様態補語をご覧ください。
(7)前置詞「跟」
- 前置詞「跟」は「~に(…を学ぶ)、~に(会う)、~と(一緒に)(動作対象の人物)」として使います。
- 「我跟父母一起去。」は「私は父母と一緒に行きます。」となります。
- 詳しくは中国語文法講座 16)前置詞の用法❶をご覧ください。
(8)前置詞「离」
- 前置詞「离」は「(現在からある時点までの期間)~まで、(ある場所からの距離)~から」を示します。
- 「我家离学校很近。」は「私の家は学校から近いです。」となります。
- 詳しくは中国語文法講座 16)前置詞の用法❶をご覧ください。
(9)禁止命令文「了」&助動詞「别」
- 語気助詞「了」には禁止命令文の文末に用いて「もうこれ以上…するな」と相手のやっていることをやめさせる意味があります。
- 助動詞「别」は「不要」と同じ意味で「…するな/…してはいけない」と禁止を表します。
- 「你别抽烟了。」は「たばこをやめてください。」。
(10)副詞「再」
- 副詞「再」は「また/もう一度」という意味です。
- 副詞「再」は同じ動作・行為・状態の繰り返しや継続している様子を示しますが、まだ実現していない未来のことに用います。
- 過去に繰り返し行ったことには「再」は使えません。副詞「又」を使います。
- 「请你再说一遍。」は「もう一度おっしゃってください。」です。これから言ってもらうことをお願いしていますので未来のことを話しています。
- 副詞「再」「又」について詳しくは中国語文法講座 20)中文作文❷(副詞が鍵となる作文をご覧ください。
第3問の前半5題 語順
第3問の前半5題は、日本語で示された文章の意味に合う正しい語順の中国語文を答えの選択肢4つの中から選びます。
(1)比較文の否定形
- 比較文の否定形に関する語順を尋ねる問題です。
- 比較文の否定形(AはBほど・・・ではない。)は、「A+没有+B+形容詞」の形で、「比」に替えて「没有」を置きます。
- 比較文の否定形について詳しくは中国語文法講座 13)比較文をご覧ください。
- 代詞「那么」は「(没)有…那么+形容詞/動詞」の形で比較の意を表す文として用いて「…のように~/…ほど~」という使い方をします。つまり、代詞「那么」は形容詞又は動詞の前に置きます。
- 「今天没有昨天那么冷。」は「今日は昨日ほど寒くない。」となります。
- 今天没有昨天那么冷(A+没有+B+代詞+形容詞)。「比較文の否定形」に代詞「那么」を加えた形です。
(2)比較文
- 比較文の語順を尋ねる問題です。
- 比較文は「A+比+B+形容詞」の形で、「AはBよりも・・・だ」となります。
- 比較文について詳しくは中国語文法講座 13)比較文をご覧ください。
- 「这个杯子比那个杯子贵五元。(このコップはあのコップより5元高い。)」というように、比較文で形容詞の後に数量補語を置いて比較の結果や程度を表す言い方についても勉強しました。
- 数量補語について詳しくは中国語文法講座 11)数量補語をご覧ください。
- 「我比他大三岁。」は「私は彼より3歳年上です。」となります。
- 我比他大三岁(A+比+B+形容詞+数量補語)。比較文に数量補語を加えた形です。
(3)助詞「了」の用法
- 助詞「了」の用法に関する語順を尋ねる問題です。
- 「済みましたか。」と聞いているので、語気助詞「了」は完了の確認(ある事柄がすでに発生したことを確認する語気)です。
- 語気助詞「了」の用法について詳しくは中国語文法講座 5)助詞「了」をご覧ください。
- 「吃完饭。」で「食事を終える。」という意味です。
- 「你已经吃完午饭了吗?」は「あなたはすでに昼食を終えましたか。(あなたはもう昼食はすみましたか。)」となります。
- 你(主語)+已经(副詞)+吃完(動詞)+午饭(目的語)+了(語気助詞)+吗(語気助詞)?
(4)「一点儿」の用法
- 「一点儿」の用法に関する語順を尋ねる問題です。
- 「一点儿」は数詞「一」+量詞「点」+接尾辞「儿」で「ちょっと/少し」。
- 「形容詞+一点儿」として用いると、形容詞が示す数量・程度に関するわずかな増減を表し、これらを動詞の前に置いて連用修飾語として使います。
- 「早一点儿睡」で「少し早く寝る」です。語気助詞「吧」は「どうか…してください/…したらどうですか」といった意味を持ちます。
- 「你今天早一点儿睡吧。」は「今日は少し早めに寝てください。」となります。
- 你(主語)+今天(副詞)+早一点儿(連用修飾語)+睡(動詞)+吧(語気助詞)。
(5)様態補語
- 様態補語の語順を尋ねる問題です。
- 「様態補語」とは、動詞や形容詞の直後に、構造助詞「得」を伴い、「得」に続くフレーズ等で、動作・行為・状態がどうであるかを具体的に詳しく説明・描写する補語です。
- 特に、動詞が目的語を取る場合の用法が重要です。様態補語は動詞のすぐ後に「得・・・」と続ける必要があるので、動詞が目的語を取る場合には、同じ動詞を再度用い、「動詞+目的語+同じ動詞+得+様態補語」という構成になります。
- 例えば、「彼女は中国語を流ちょうに話します。」は「她说汉语说得很流利。」となります。
- さらに、最初の動詞は省略できます。つまり、「她(说)汉语说得很流利。」と変化します。
- 「彼女は中国語を話すのが上手ではありません。」は「她(说)汉语说得不好。」となり、最初の動詞を省略すると「她汉语说得不好。」となります。
- 他(主語)+(動詞省略)+汉语(目的語)+说(同じ動詞)+得不好(様態補語)。
- 様態補語について詳しくは中国語文法講座 9)様態補語をご覧ください。
第3問の後半5題 語順
第3問の後半5題は、日本語の意味に合う正しい語順の中国語文を作る際に、[ ]に入れる単語を答えの選択肢4つの中から選びます。きちんと並べることができないと正しく解答できないので、要するに語順の問題ですね。
(6)動詞「在」の用法
- 動詞「在」の用法に関する語順を尋ねる問題です。
- 「(人・物)+「在」+(場所)」の形で「(特定の人・物)が(ある場所)にいる/ある」として、所在を示す表現で使います。
- 名詞「对面」は「向かい/真正面」という意味で、例えば、「我在他对面坐下。」は「私は彼の正面に座った。」というように使います。
- 「银行在邮局对面。」で「銀行は郵便局の向かいにあります。」となります。
- 银行(主語)+在(動詞)+邮局对面(目的語)。
- 動詞「在」の用法について詳しくは中国語文法講座 4)動詞「在」をご覧ください。
(7)連動文
- 連動文に関する語順を尋ねる問題です。
- 1つの主語に対し、2つ以上の動詞や動詞句が連続している文で、ポーズや接続詞などがなく、連続した動詞句が並列、主語述語、修飾等の関係ではなく、2つ目の行動を述べている場合、これを「連動文」と言います。具体的には「主語+{行動1}+{行動2}」の形をしています。
- 「図書館に勉強しに行く。」は中国語の考え方で整理すると「図書館に行って勉強する」となります。{行動1:図書館に行く}+{行動2:勉強する}です。
- 「她每天去图书馆学习。」で「彼女は毎日図書館に勉強しに行きます。」となります。
- 她(主語)+每天(副詞)+{行動1:去(動詞)+图书馆(目的語)}+{行動2:学习(動詞)}。
- 連動文について詳しくは中国語文法講座 15)連動文をご覧ください。
(8)二重目的語構文
- 二重目的語構文の語順を尋ねる問題です。
- 「二重目的語構文」とは、「動詞+目的語1(人)+目的語2(物)」として目的語を2つ使う構文です。
- 例えば、「神部先生は私たちに中国語に教える。」は「神部老师教我们汉语。」となります。
- 「李老师教我们英语 。」は「李先生は私たちに英語を教えてくださいます。」となります。
- 李老师(主語)+教(動詞)+我们(目的語1)+英语(目的語2)。
(9)方向補語
- 方向補語に関する語順を尋ねる問題です。
- 方向補語と目的語との語順は、単純方向補語(来)の場合、原則、目的語は「来」の前です。つまり、「動詞+目的語+来」の順です。
- 「王先生が教室に入って来られました。」は「王老师进教室来了。」となります。
- 王老师(主語)+进(動詞)+教室(目的語)+来(方向補語)+了(語気助詞)。
- 詳しくは中国語文法講座 8)方向補語をご覧ください。
(10)数量目的語
- 数量目的語(目的語の名詞の前に数量を置く形式)の語順を尋ねる問題です。
- 「第3章 出題内容を知る・筆記試験❶」において、「わたしはきのう5 時間アルバイトをしました。」は「我昨天打了五个小时工。」という順序になることを勉強しました。
- 「私は昨日1時間テレビを見ました。」は「我昨天看了一个小时电视。」となります。
- 我(主語)+昨天(副詞)+看(動詞)+了(アスペクト助詞)+一个小时电视(数量目的語)。
皆さま、中国語検定試験4級(筆記試験)の解説はいかがでしたでしょうか?語順の基本を正確にマスターしておられる皆さまにとっては、4級の問題はスムーズに解けたのではないでしょうか。そうでなかった皆さまも心配無用です。勉強の進捗速度には個人差がありますので、ご自分のペースで勉強を着実に進めてください。
検定試験4級合格を目指しておられる皆さまも、勉強のポイントを大いに把握していただければ幸いです。
神部龍章の部屋からのご案内
【お知らせ➀】
新たな試みとして、講座をご覧いただいている読者の方々が実力確認を行われることを手助けするための教材として「第1回模擬試験(筆記)中国語検定試験3級」を独自に作成しました。ぜひお試しくださいませ。
【おしらせ②】
中検合格講座「第8章 中検3級傾向分析(ピンイン)」において、音声教材を追加いたしました。各単語の発音の習得にご活用ください!
【おしらせ③】
このたび、神部龍章の部屋においてオリジナルYouTube動画(中国語カラオケ🎤:月亮代表我的心、夜来香、后来)を作成しました。中検合格講座「第6章 中国語のカラオケを歌ってみよう!」をご覧くださいませ♪♪♪