ビジネス英語トレーニング講座❶
間違った英語の勉強法を一切やめてしまいましょう!
皆さま、こんにちは。教育コンサルタントの神部龍章です。
この講座は、短期間で実践的な英語を身に付けたいと思っておられる方々のためのトレーニング講座です。世の中には、英語の教材は、数えきれないほど存在し、WEBサイトにおいても、いろいろな観点から英語を勉強できる時代になりました。しかし、「お仕事で実践できる実力が身に付きましたか?」と聞かれると、「いえいえ、私は英語が苦手です。」と答えておられる方々も多いのではないかと思います。
日本では、義務教育の中学校くらいから本格的に英語を勉強するので、国民のほとんどが英語を話すような環境にあると言っても過言ではないと思いますが、実際はそうではありません。「なぜ、実践的に使えるようにならないのか?」という疑問が大いにあるのではないでしょうか? そうです。日本においては、英語の勉強方法が間違っているのです。
一番よくない勉強方法は「英文和訳」です。一定の英語の文章を読んで、日本語に翻訳する訓練を延々と行う訳ですが、これがよくないのです。
翻訳するときに、英文を後ろにいったり、前に戻ったりして読みますよね?しかしながら、英語を楽々と使う外国人の方々は、頭の中で後ろにいったり、前に戻ったりは絶対にしていません。
そもそも会話を聞いているときに、頭の中で後ろにいったり、前に戻ったりしていると聞き取れないと思います。話すときも同じです。文章を考えてから話すと、自然な流れで会話もできません。
つまり、文章を読むときにも時間がかかりますし、会話ではまったくお役に立たないのです。通訳業や翻訳業を目指しておられるのではないのであれば、英語と接するときに日本語に翻訳する訓練を行うのはやめるべきです。
短期間で実践的な英語を身に着けるためのトレーニング法
前から順番に単語又はフレーズで理解する訓練
それでは、どのように勉強したり、訓練したりするとよいかと言いますと「必ず、英文を前から理解するように訓練すること」が肝要です。そうです、頭の中で後ろにいったり、前に戻ったりは絶対にしてはいけません。英文に接するときには、前から順番に単語又はフレーズで理解する訓練が必要不可欠です。
英語の単語には、名詞、代名詞、動詞、形容詞、副詞、接続詞、前置詞、冠詞、・・・と多数の品詞がありますので、単語一つ単独で大きな意味があるものもあれば、その他に前置詞や冠詞のようにこれらを単独で注目していても何も意味がわからないものもあります。また、動詞であれば、動詞に前置詞が付くと意味が変わるといったケースも数多くあります。
したがって、前から順番に「単語」又は「フレーズ」で理解する訓練が重要となってきます。
特に重要な点は、前から順番に単語又はフレーズで理解する訓練をするときに、あとから意味を繋ぎ合わそうとしないことです。自分だけがわかっていればよいときに、いちいち整理して並べなおす必要はないのです。その行為が英語能力の向上を妨げています。
例文による具体例
例文を使って具体的に説明します。
「Japan has provided Ukraine US$ 1.87 billion in ODA since 2014.」を日本語に翻訳すると「日本は2014年以来、ウクライナに対して18億7000万ドルのODAを提出しています。」となりますが、この日本文を作るためには、頭の中で、
➀Japan➡日本は、➁since 2014➡2014年以来、➂Ukraine➡ウクライナに(対して)、④US$ 1.87 billion in ODA➡18億7000万ドルのODAを、⑤has provided➡提出しています。
このように、短い一つの文章でさえも、英文を後ろにいったり、前に戻ったりして読んでいることがわかりますが、これがいけないのです。すぐにやめるべきです。そもそも、通訳業や翻訳業を目指しておられるのではないのであれば、英文に接したときに、綺麗な日本語で出力することは全く必要なく、自分だけがわかればよいので、日本での語順などは気にすることはないのです。
私は、今、読者の皆さまに「Japan has provided Ukraine US$ 1.87 billion in ODA since 2014.」を例文として提示し、その日本語での意味を「日本は2014年以来、ウクライナに対して18億7000万ドルのODAを提供しています。」と書きましたが、実際、「in ODA」をなんて訳すべきかと一瞬考えました。
なぜならば、前からフレーズで読むので、➀Japan➡日本は、➁has provided➡提供しています、➂Ukraine➡ウクライナに、④US$ 1.87 billion ➡18億7000万ドル、⑤in ODA➡ODAで、⑥since 2014➡2014年以来、となるので、これらを皆さまにご覧いただくために、並べなおして文章に書くと「日本は2014年以来ウクライナにODAで18億7000万ドルを提供しています。」となります。これを直訳調ではない、日本語らしい表現にするために「日本は2014年以来、ウクライナに対して18億7000万ドルのODAを提供しています。」に微修正しました。
ここで重要な点は、頭の中で文の意味が正確に理解できていると、他の人に日本語で伝達する必要がある場合に、紙に書くときにあとからいくらでも微修正ができるので、最初から英語を綺麗な日本語に変換しようする作業は、労力が大きい一方で、実際には大した意味はないのです。実際、頭の中で整理して並べなおした「日本は/2014年以来/ウクライナに/ODAで/18億7000万ドルを/提供しています。」という文章と、直訳調ではない綺麗な表現「日本は2014年以来、ウクライナに対して18億7000万ドルのODAを提供しています。」を比べてみればわかります。どうですか、大した違いはないでしょう?つまり、結局、どうでもよいことを気にして物事の本質を見失ってはいけないと思います。
単語又はフレーズに分解する訓練
センスの良い読者の方々は、私が教育コンサルタントとして推奨する勉強法が見えてきたのではないかと思いますが、ここで、先ほどの例文を用いてさらに具体的に説明します。
手順1:「Japan has provided Ukraine US$ 1.87 billion in ODA since 2014.」を正しく理解するためにまず自分で単語又はフレーズごとに区切ります。「Japan / has provided / Ukraine / US$ 1.87 billion / in ODA / since 2014.」
手順2:➀Japan➡日本は、➁has provided➡提供しています、➂Ukraine➡ウクライナに、④US$ 1.87 billion ➡18億7000万ドル、⑤in ODA➡ODAで、⑥since 2014➡2014年以来
分かりやすく書くとこんな感じですが、もっと正確に申し上げると、文章を前から読みながら、手順1と手順2は、セットで行いながら前から後ろに進みます。
つまり、頭の中のイメージとしては、次のような感じです。
「Japan➡日本は/ has provided➡提供している/ Ukraine➡ウクライナに/ US$ 1.87 billion➡18億7000万ドルを/ in ODA➡ODAで/ since 2014➡2014年以来」
この方法は、英語だけではなく、外国語を短期間で習得するときには欠かせない秘策です。中国語を勉強する場合でも、この方法が役に立ちます。詳しくは短期間で中国語検定試験3級合格を目指す講座をご参照ください。推奨している方法は全く同じです。
英語で直接理解する原理
さて、上述の手順について、さらにもっと正確に言えば、
- 「Japan」は、いちいち「日本」として翻訳しなくても「Japan」でわかると思いますので「Japan」のままで理解する。
- 「has provided」は、現在完了形で「提供している」ですが、自分ではわかっているのであれば「has provided」のままで理解する。
- 「Ukraine」は、いちいち日本語読みで「ウクライナ」としなくてもわかりますので「Ukraine」のままで理解する。
- 「US$ 1.87 billion」は、いちいち日本語読みで「18億7000万ドル」としなくても「US$ 1.87 billion」でいいじゃないですかということでそのままで理解する。
- 「in ODA」もそのままでいいじゃないですかということで、そのままで理解する。
- 「since 2014」もそのままでいいじゃないですかということで、そのままで理解する。
さて、いかがでしょうか?「Japan has provided Ukraine US$ 1.87 billion in ODA since 2014.」は「Japan/ has provided/ Ukraine/ US$ 1.87 billion/ in ODA/ since 2014.」として単語又はフレーズごとに読む訓練ができている方であれば、ご自分が知っている単語やフレーズが並んでいる場合、文章ごと英語で理解することになります。「英語の上達のためには英語で考えるべし」と英語の達人様らがよくおっしゃいますが、具体的なイメージを詳細に分析して書くとこのような形になります。
さらにレベルが上がって、「Japan has provided Ukraine US$ 1.87 billion in ODA since 2014.」という文章を見て、一発で文章まるごと理解できるようになると、単語やフレーズで一つ一つ区切る必要もなくなるので、理解のスピードがもっと上がることになります。
「英語の上達のためには英語で考えるべし」という理想は、絵空事ではなく、実はトレーニング次第で身に付くのです。重要なことは、正しい勉強法で訓練を積むことです。
皆さま、こんにちは。LADY JJと申します。
次回のトレーニング講座から本格的に登場いたします。
ビジネス英語トレーニング講座で一緒に勉強いたしましょう!