RPA初心者向け講座

全情報の設定【シナリオ作成(3)】

2022年11月11日

RPA初心者向け講座➓

RPA初心者向け講座
RPA初心者向け講座

RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、これまでに人間が手作業で行っていた業務をソフトウェアのロボットに任せ、自動化していく技術のことです。この講座では、RPAの初心者さま向けにWinActorに関するシナリオの作り方やデータ設定の原理について説明。

第1回 RPAとは何か?
第1回 RPAとは何か?

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、手作業で行っていた業務をソフトウェアのロボットに任せ、自動化する技術です。エクセルを使用して日々の事務を進めておられる方が多いので、作業を自動化で飛躍的に効率が上がります。

第2回 エクセル操作
第2回 エクセル操作

Excel 操作(値の取得)は、エクセル上の情報(データ)をWinActorに「取得」し「変数の設定」で予め指定した変数に取り込む操作、Excel 操作(値の設定)は、WinActorの変数に保管されている情報をエクセル上に書き込む操作です。

第3回 繰り返し操作とカウントアップ
第3回 繰り返し操作とカウントアップ

「繰り返し操作」とは、同様の作業を繰り返し実施したい場合に、事前に繰り返す回数などを指定してその回数分を実施するための操作です。ロボット(パソコン)による単純作業の自動化には欠かせない操作です。カウントアップとペアで使います。

第4回 配列操作の基本
第4回 配列操作の基本

「配列」は、変数の箱を並べたイメージで考えるとわかりやすいと思います。一直線に並べたものが「1次元配列」、平面的に並べたものが「2次元配列」です。1次元配列の場合、自動的に「配列[1]」「配列[2]」「配列[3]」・・・と番号を振ってくれます。

第5回 配列操作の応用
第5回 配列操作の応用

配列操作の応用でセル座標情報を配列に取り込み、コンピューターに覚えさせます。後から実際のデータを自動的に拾いに行くときに便利だからです。配列はインデックスで管理するので、簡単に大量の情報をコンピューターに覚えさせることができます。

第6回 エクセルファイルの自動開閉
第6回 エクセルファイルの自動開閉

多数のエクセルファイルを自動集計するためには、自動的に開いたり、閉じたりすることが必要不可欠です。ファイル名を個別に指定せず、RPAが自動的に順次エクセルファイルを開くと汎用性が高まります。「ファイル一覧(ファイル名)取得」を活用します。

第7回 2次元配列操作
第7回 2次元配列操作

WinActorの2次元配列のイメージは、正に縦横の平面上に箱が並べられているイメージです。エクセルシートとよく似ていると思いませんか?この特徴をシナリオ作成に活かします。2次元配列の割り当てイメージを考えます。エクセルシートと全く同じです。

第8回 セル位置の情報取得
第8回 セル位置の情報取得

エクセルの自動集計に関するシナリオ作成について詳しく説明します。まずは、冒頭の「2次元配列操作(初期化)」及び「グループ:セル位置取得」に関するシナリオ作成について説明いたします。 「グループ」のボックスを設置し、各工程ごとにわけて整理します。

第9回 全情報の取得シナリオ
第9回 全情報の取得シナリオ

全ファイルデータ取得について説明します。各テレワーク報告書から情報を取得し、配列情報として保管します。ポイントは「ファイル一覧(ファイル名)取得」で取得したファイル名を用い、これを「Excel開く(前面化)」を使って開くところです。

第10回 全情報の設定シナリオ
第10回 全情報の設定シナリオ

全ファイルデータ設定について説明します。ポイントは、エクセルシートと2次元配列の構成が類似してるところを応用した情報処理です。2次元配列上での割り当てイメージ図で要確認します。最後に「Excel操作(名前を付けて保存)」で書き込みが完成です。

第11回 全シナリオの総括
第11回 全シナリオの総括

変数の初期値は自分で設定します。その整理はシナリオの最終確認として極めて重要です。ミスの見落としを防ぐために、工程のグループごとに大別し、初期値設定の要否で区別することで見やすく再配置することがお薦めです。エラー発生の最大の原因は変数設定の誤りです。

第12回 シナリオの汎用性(最終回)
第12回 シナリオの汎用性(最終回)

新しい課題にチャレンジするにあたり、変数の初期値設定等を少し変えるだけで、これまでに作成したシナリオ操作の骨組みをそのまま活用できることをご紹介いたします。このシナリオの汎用性の高さを実感してくださいませ。シナリオ自体の構成は何も変更する必要はないのです。

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第1回 RPAとは何か?
第2回 エクセル操作
第3回 繰り返し操作とカウントアップ
第4回 配列操作の基本
第5回 配列操作の応用
第6回 エクセルファイルの自動開閉
第7回 2次元配列操作
第8回 セル位置の情報取得
第9回 全情報の取得シナリオ
第10回 全情報の設定シナリオ
第11回 全シナリオの総括
第12回 シナリオの汎用性(最終回)
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全ファイルデータ設定

シナリオ全体の確認

シナリオ全体
グループ:全ファイルデータ設定

 ゴーヤンのテレワーク報告書を自動的に一つの集計表に集約するシナリオ作成です。今回は「全ファイルデータ設定」について説明いたします。最初にシナリオ全体を確認しましょう。

 3番目のグループ「グループ:全ファイルデータ設定」に設定するシナリオについて説明します。

 

変数値設定

 ノードの中に「変数値設定」という操作があります。シナリオの途中で変数の値を変更したいときに使います。前回の「全ファイルデータ取得」においては、変数「配列R」は「5」から始まりファイルの数に応じて一つずつ値が増加していますので、再び初期値の「5」に戻す必要があります。

 また、変数「配列C」についても各ファイルごとに「1」から「16」までの移動を繰り返し、最後は「16」で終わっていますので、こちらについても、再び初期値の「1」に戻す必要があります。

Excel開く(前面化)

 2次元配列に保管した情報を書き出す「集計表ファイル」を自動的に開きます。集計表のイメージ図をご覧ください。集計表ファイルのシート名は「一覧」となっています。Excel開く(前面化)のプロパティ画面設定の際には、この点に留意が必要です。

集計表ファイルのイメージ図
「Excel開く(前面化)」のプロパティ画面

 Excel開く(前面化)のプロパティ画面を開きます。ファイル名は「集計表ファイル」、シート名は「一覧」としてあります。

 変数一覧を呼び出し、初期値を正確に記載するのを忘れないでください。

繰り返し:対象ファイル数

 「全ファイルデータ取得」においては、「ファイル一覧(ファイル数)取得」でフォルダ内ファイル数を確認し、変数「対象ファイル数」に取得した値を入れました。今回の課題では、ファイル数は3つなので、「対象ファイル数」には「3」が入っており、2次元配列に保管した情報についても配列の5行目から7行目までの3行に入っています。したがって、繰り返し回数は、変数「対象ファイル」で指定します。

「繰り返し:対象ファイル数」のプロパティ画面
2次元配列上での割り当てイメージ図

繰り返し:情報設定

「繰り返し:情報設定」のシナリオ
「繰り返し:情報設定」のプロパティ画面

「繰り返し:対象ファイル数」の中に「繰り返し:情報設定」を設定して、2次元配列上で列移動を行います。

 列の移動は、1列目から16列目までなので、繰り返し回数は「値⇒16」と設定します。

 

 R1C1形式→A1形式(その1)

 2次元配列から情報を呼び出す前に、集計表ファイルに書き込む際に必要となるセル座標を先に作りましょう。

 座標の位置がわかりやすいように、集計表のセル位置と2次元配列上の割り当てを合わせて設計したので、配列[5,1]は、集計表の5行目・1列目(A列)、つまり、「A5」に書き込みます。

 値を動かす変数は、変数「配列R」と「配列C」です。「配列R」は5から始まり、「配列C」は1から16まで動きます。次に、「配列R」は6になり、「配列C」は1から16まで動きます。以降、同様に動いていきます。

 A1形式に変換した結果は変数「指定セル」に保管します。

R1C1形式→A1形式(その1)のプロパティ画面
 2次元配列操作(情報取得)

 2次元配列操作(情報取得)によって配列情報を取り出し、変数「取得情報」に保管します。

2次元配列操作(情報取得)のプロパティ画面
 Excel操作(値の設定)

 Excel操作(値の設定)のプロパティ画面を開き、設定値の欄には、2次元配列操作(情報取得)で配列情報に保管した結果を取り出した「取得情報」をセットします。

 セル位置の欄には、R1C1形式→A1形式(その1)によってA1に変換した「指定セル」を使います。

 この操作で、集計表ファイルの一覧シート上に配列情報に保管した情報が書き込まれます。

Excel操作(値の設定)のプロパティ画面
 セットアップ(配列C)

 セットアップによって、変数「配列C」の値を一つずつ増やします。

変数値設定(配列C)

 変数「配列C」は、「16」にて「繰り返し:情報設定」を終えますので、ここで再び「1」に設定し、次の繰り返しに備えます。

セットアップ(配列R)

 セットアップによって「配列R」の値を一つ増やし、2次元配列上の次の行に移動します。

Excel操作(名前を付けて保存)

 最後に「Excel操作(名前を付けて保存)」で書き込みが完成したファイルについて、新たに名前を付けて保存します。

 ファイル名の欄には現在使用しているファイル名を記載するので「集計表ファイル」と設定します。次に保存ファイル名は「集計結果」としました。

 ファイルの保存後に現在開いている集計表ファイルを「閉じる」か「閉じない」かが聞かれていますので、ここでは「閉じない」とします。こうすると、WinActorの動作後も集計結果が開いていますので、そのまま確認できます。

 実行結果欄において、その結果を格納する変数を指定することが求められていますので「管理」と設定しています。今回、この変数は使用しないので、あくまでも便宜的に、繰返し使用しています。

変数一覧による初期値設定

 最後に今回使用した変数の確認と初期値設定を行いましょう。

変数一覧
ゴーヤン
ゴーヤン

皆さま、大変お疲れさまでした。
ゴーヤンのテレワーク報告書を一つのファイルに集約するシナリオ作成はこれで完成です。しっかり復習してくださいね。次回は、シナリオ全体の総括によって総復習を行います。お楽しみに!

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