RPA初心者向け講座➓
全ファイルデータ設定
シナリオ全体の確認
ゴーヤンのテレワーク報告書を自動的に一つの集計表に集約するシナリオ作成です。今回は「全ファイルデータ設定」について説明いたします。最初にシナリオ全体を確認しましょう。
3番目のグループ「グループ:全ファイルデータ設定」に設定するシナリオについて説明します。
変数値設定
ノードの中に「変数値設定」という操作があります。シナリオの途中で変数の値を変更したいときに使います。前回の「全ファイルデータ取得」においては、変数「配列R」は「5」から始まりファイルの数に応じて一つずつ値が増加していますので、再び初期値の「5」に戻す必要があります。
また、変数「配列C」についても各ファイルごとに「1」から「16」までの移動を繰り返し、最後は「16」で終わっていますので、こちらについても、再び初期値の「1」に戻す必要があります。
Excel開く(前面化)
2次元配列に保管した情報を書き出す「集計表ファイル」を自動的に開きます。集計表のイメージ図をご覧ください。集計表ファイルのシート名は「一覧」となっています。Excel開く(前面化)のプロパティ画面設定の際には、この点に留意が必要です。
Excel開く(前面化)のプロパティ画面を開きます。ファイル名は「集計表ファイル」、シート名は「一覧」としてあります。
変数一覧を呼び出し、初期値を正確に記載するのを忘れないでください。
繰り返し:対象ファイル数
「全ファイルデータ取得」においては、「ファイル一覧(ファイル数)取得」でフォルダ内ファイル数を確認し、変数「対象ファイル数」に取得した値を入れました。今回の課題では、ファイル数は3つなので、「対象ファイル数」には「3」が入っており、2次元配列に保管した情報についても配列の5行目から7行目までの3行に入っています。したがって、繰り返し回数は、変数「対象ファイル」で指定します。
繰り返し:情報設定
「繰り返し:情報設定」のシナリオ
「繰り返し:対象ファイル数」の中に「繰り返し:情報設定」を設定して、2次元配列上で列移動を行います。
列の移動は、1列目から16列目までなので、繰り返し回数は「値⇒16」と設定します。
R1C1形式→A1形式(その1)
2次元配列から情報を呼び出す前に、集計表ファイルに書き込む際に必要となるセル座標を先に作りましょう。
座標の位置がわかりやすいように、集計表のセル位置と2次元配列上の割り当てを合わせて設計したので、配列[5,1]は、集計表の5行目・1列目(A列)、つまり、「A5」に書き込みます。
値を動かす変数は、変数「配列R」と「配列C」です。「配列R」は5から始まり、「配列C」は1から16まで動きます。次に、「配列R」は6になり、「配列C」は1から16まで動きます。以降、同様に動いていきます。
A1形式に変換した結果は変数「指定セル」に保管します。
2次元配列操作(情報取得)
2次元配列操作(情報取得)によって配列情報を取り出し、変数「取得情報」に保管します。
Excel操作(値の設定)
Excel操作(値の設定)のプロパティ画面を開き、設定値の欄には、2次元配列操作(情報取得)で配列情報に保管した結果を取り出した「取得情報」をセットします。
セル位置の欄には、R1C1形式→A1形式(その1)によってA1に変換した「指定セル」を使います。
この操作で、集計表ファイルの一覧シート上に配列情報に保管した情報が書き込まれます。
セットアップ(配列C)
セットアップによって、変数「配列C」の値を一つずつ増やします。
変数値設定(配列C)
変数「配列C」は、「16」にて「繰り返し:情報設定」を終えますので、ここで再び「1」に設定し、次の繰り返しに備えます。
セットアップ(配列R)
セットアップによって「配列R」の値を一つ増やし、2次元配列上の次の行に移動します。
Excel操作(名前を付けて保存)
最後に「Excel操作(名前を付けて保存)」で書き込みが完成したファイルについて、新たに名前を付けて保存します。
ファイル名の欄には現在使用しているファイル名を記載するので「集計表ファイル」と設定します。次に保存ファイル名は「集計結果」としました。
ファイルの保存後に現在開いている集計表ファイルを「閉じる」か「閉じない」かが聞かれていますので、ここでは「閉じない」とします。こうすると、WinActorの動作後も集計結果が開いていますので、そのまま確認できます。
実行結果欄において、その結果を格納する変数を指定することが求められていますので「管理」と設定しています。今回、この変数は使用しないので、あくまでも便宜的に、繰返し使用しています。
変数一覧による初期値設定
最後に今回使用した変数の確認と初期値設定を行いましょう。
皆さま、大変お疲れさまでした。
ゴーヤンのテレワーク報告書を一つのファイルに集約するシナリオ作成はこれで完成です。しっかり復習してくださいね。次回は、シナリオ全体の総括によって総復習を行います。お楽しみに!